2010年5月7日金曜日

Swift

今日は先日開催されたAlaia meetで、多方面にわたってバックアップをしていただいた勇一ProのGear'sにお礼をかねておじゃましました。
何と、私のフィッシュのシェイプが完成していました!
待ちに待ったこの瞬間。フィッシュフライには間に合いそうです。
勇一Proにかなり無理を言って調整していただいたフィッシュ。
この日もフィンのセッティングについてとことん話し合いました。
フィッシュフライの会場で見かけたら是非乗ってみてくださいね。


さて、本題ですが、先日私が掲載した記事で少し混乱と誤解を生んでしまったようなので、お詫びをするとともにその真相についてお話したいと思います。

勇一ProのシェイプしたサーフボードにSwiftのディケール。通常では有り得ない組み合わせです。
私は完全に誤解していましたが、パヴェル、ケンビン、ウェンリンチ・・・等で構成される、いわゆるスウィフトムーブメントとこの"Swift"は異なるレーベルであるということです。
このサーフボードは、Breakeroutウェットスーツで有名な、シ・ワールドの高橋氏のための完全なワンオフです。
その高橋氏からこの事に関して直接メールを頂き真相を教えていただきました。
そして、その内容にとても感銘を受けたのでご本人に承諾を得て全文をご紹介したいと思います。


「SWIFTはアンドリュー・キッドマン(以下A・K)のプライベートレーベルであり彼のみがシェイプする、日本でもあまり頻繁に目にすることのない、少々レアな部類のボードだと思います。我々のウェットスーツのコラボレーターとして5年ほどのお付き合いになります。

そのA・Kと日本での再会がちょうど3年前の5月のこと。グリーンルームフェスティバルで来日中のA・Kがスポットを当てた日本人にサーフボード・ヴィルダー遠藤さんがいました。偶然の出会いが二人を引き寄せ、後のアートブック『ETHER』で唯一の日本人シェイパーとして写真が掲載されたことは記憶に新しいと思います。10日間ほどの滞在期間にA・Kとのエピソードで、今も忘れられない衝撃的な発言がありました。『なぜ、ローカルシェイパーにオーダーをしないんだ!Takahashi!』
A・K来日中に偶然に出来上がったばかりの私の海外ブランドの板を見ながら、寂しそうにそうつぶやいたのがとても印象的でした。彼には遠藤さんの様な地元の波を知っているシェイパーさんを通り越して、海外のシェイパーさんにシェイプをお願いするのはなぜなのか?疑問に思ったのでしょう。(注:決して海外のシェイパーさんを批判する意味ではありませんし、私自身も国内外を問わずこれからもいろんな板にトライしようと思っています!)

そしてもう一つの衝撃的出来事。彼は当時のグリーンルームフェスティバル来日時、自分で使用するサーフボードを持参していませんでした。ついでですが、ライブのインビテーションを受けていましたがギターも持って来ていなかったのです。『現地調達が手軽でよい。荷物も少なくチャージも取られないから・・・トム・カレンに教わったんだよ、いいだろ!』周りの関係者は、ギターの調達やらボードの調達やらでヒヤヒヤでしたがフェスティバル当日のグッドウェィブにはどこからともなく板をゲットし、演奏前日にはギターの準備も完璧に整っていたのでした。調達元は未だ不明です。フェスティバルを終え一週間ほど写真を撮り、波に乗り日本を後にしました。

数年後、LAST HOPEが完成。DVDを送って来てくれた荷物の中に一枚のディケールが入っていました。
女性がモチーフのSWIFTのディケールです。何気なく額にでも入れておこうかなと思い、それを眺めていたら『なんでディケール?』と素朴な疑問が頭をよぎりました。前述の過去のA・Kの言った言葉を思い出し、自分なりにこう解釈しました。ローカルシェイパーでありA・Kとも親交のある遠藤さんにオーダーしろってことだな。とすぐに感じました。そして、次の来日時も当然、ボードは持参しないはず。用意しておいてってことか。そんなストーリーのある板だったんです。

数年前からシモンズ・リスペクトモデル『おもち』シリーズをテストされていて、以前自分のアライアもシェイプしていただいており、ごく自然な流れでシェイプしていただき出来上がった板は、本当に美しい仕上がりで自分が思い描いていた以上のすばらしさでした!!!
(ディケールを使用することにはA・Kにもキチンと承諾を得ています。念のため)
信頼出来るローカルシェイパーさんはきっと親身になってオーダーの相談にのってくれるはずです。
その人の為に削りだす一本は、世界一の価値あるボードなのだと改めて思い出させてくれた出来事でした。
遠藤さん、ありがとうございました。」



・・・私なりに解釈して真相をお伝えしようと思いましたが、高橋氏の言葉をそのまま記載した方が、真意は伝わると判断しました。高橋さん、アンドリューさんの言葉が私自身にも身に沁みます。高橋さん本当にありがとうございました。
なお、このサーフボードはあくまでも高橋氏のためのワンオフになります。今後市場に出回ることはありませんのでご了承下さい。


もうひとつニュースが・・・
Gear'sに新らしい仲間が生まれました。
もしここに来られたときはのファクトリーの階段下をそーっと覗いて見て下さいね。It's OK! ま、そのうちみんな居なくなるんですけどね^^

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